MLXT-Laboratory-
T221の似非コンバータBOXを作ってみる

目的

IBMのT221というディスプレイを手に入れたのですが,
どうも仕様が古いのか想定外なのか,QUXGA-WなのにDualLinkを受け付けてくれない.
本来ならこのモニタにはコンバータBOXという物がついていて,Dual Linkを
Single Link二つにバラしてくれるのですが,私の買ったモニタには付属いない.
今までは仕方がないのでT221にDVIポート二つ使って,メインのモニタはオンボに
つないでいたのですが,オンボはやっぱり遅いので,コンバーターBOX相当品をつくって
DVIポート1つで25Hz表示をやってみよう
そして,余ったDVIポートにメインモニタつなぎたいなぁと言う企画.



注意とか

お約束ではありますがここに書いてある内容は無保証です.
試してみる人は自己責任でやってください.
でも出来る限り正しい情報を載せたいと思いますので
なにか気づいた点があればメールフォームから
意見を送ってもらえるとうれしいです.

また手順を見ると単純に見えますがそれなりに細かい作業です.
私自身はプロでも何でも無いですが一応電子工作経験者です.
初めて半田ごて握る人がやると,通販とかの
「ね,簡単でしょう?」状態になりますので
作るときはそれなりの覚悟を決めてやってください.

それからDual LinkをSingle Link二つにすると書きましたが,
Dual LinkのDVIをSingle LinkのDVIポート二つに分ける物ではありません.
T221特有の機能を使った技ですので普通のモニタではこの技は使えません.
またT221にもDG3,DG5,DGM,DGPといろいろ種類がありDG5相当品
(DGPの48Hz対応品等)でないと無理とか言う話もあるようです.


作成手順

用意するもの

適当なDVIケーブル(Single LinkでOK)300円
DVIコネクタ (Dual Linkの物 千石電商で買ってきた)280円
DVI中継器二つ(CompAceで安かった)525x2円
15Ωの抵抗 6本 (やっぱり千石電商)5x6円

あとは半田ごてとかニッパーとか.
卓上万力みたいなものでコネクタを固定出来たらやりやすいのかもしれない.
高くて買えなかったから試してないけど.

ちなみにメスのコネクタは300円ぐらいで売られているのでDVI中継器をケチりたい人は
メスのコネクタを買ってきて半田付けしても良いかもしれない.
私の技術力では半田付けするたびに損失が増えそうなので中継器に頼ることに.

早速加工.

DVIケーブルは端子の部分と必要最小限のケーブルを残して切断.
ここでコネクタに通すのを忘れると後で涙目なのでしっかり通しておく.


とりあえずテレビのアンテナの同軸ケーブルの要領で線を剥く.
切れ味の良いカッターをくるっと回して切って引っ張ると良い感じ.

剥いたらひたすら配線.
私はこれくらい剥きました.

一応結線
各ピンの詳細情報はwikipediaをどうぞ
ビデオボード側            T221ケーブル側 
P: Primary S: Secondary
1  TMDS Data 2-           P 1           TMDS Data 2-
2  TMDS Data 2+           P 2           TMDS Data 2+
3  TMDS Data 2/4 shield   P/S shield
4  TMDS Data 4-           S 9           TMDS Data 1-
5  TMDS Data 4+           S 10          TMDS Data 1+
6  DDC clock              P 6           DDC clock
7  DDC data               P 7           DDC data
8  Analog Vertical Sync   NC
9  TMDS Data 1-           P 9           TMDS Data 1-
10 TMDS Data 1+           P 10          TMDS Data 1+
11 TMDS Data 1/3 shield   P/S shield
12 TMDS Data 3-           S 17          TMDS data 0-
13 TMDS Data 3+           S 18          TMDS data 0+
14 +5V                    P 14          +5V 
15 Ground                 P/S 15        Ground
16 Hot Plug Detect        P 16          Hot Plug Detect
17 TMDS data 0-           P 17          TMDS data 0-
18 TMDS data 0+           P 18          TMDS data 0+
19 TMDS data 0/5 shield   P/S shield
20 TMDS data 5-           S 1           TMDS Data 2-
21 TMDS data 5+           S 2           TMDS Data 2+
22 TMDS clock shield      P/S shield
23 TMDS clock+            P/S 23        TMDS clock+
24 TMDS clock-            P/S 24        TMDS clock-

Link2のRGBをSecondaryのLink1のRGBに移動させて,
TMDS ClockはPrimary Secondaryで共通.
DDC〜と+5VはPrimaryのみ接続.
Groundは二つかぶっていますが普通に同じところに接続.
Shieldの部分はコネクタ部分でRGB分を一カ所にまとめて網目になってる
Shieldから5本ほど解いて持ってきた物で接続しておきました.
Clockのシールドも同じように5本ほどほどいて半田付け.
裸線なので絶縁チューブはかぶせておきました.

で,TMDS Clockは分岐させないといけないので抵抗3つで分岐.
こんな感じ

本来は16.7Ωで分岐させるのが良いのですが無かったので15Ω.
Y字に抵抗をくっつけてそれぞれの端に大元,分岐1,分岐2と接続.

全部接続し終わるとこんな感じ.



あとは絶縁テープなどを巻いてからカバーを閉めてテスターなどで念入りにチェック.
問題がないようならビデオボードとT221のケーブルの間に挟みます.
どっちがプライマリか分からなくならないようにちゃんと印を付けてみた.




こんな感じで25Hz表示が出来たら完成です.
ちなみにEDID設定は3です.



謝辞

自作コンバータを作るに当たって,詳細な情報を提供してくださいました
【3840x2400】QUXGA-Wのモニタpart3【200ppi】の皆様,
特に20氏,226氏に感謝いたします.


(2009/07/20) ワイドすぎたので誤字修正WQUXGAとQUXGA-Wが混ざってWQUXGA-Wになってた. (2009/07/20) 適用可能機種について加筆
(2009/07/19) Shieldについて加筆
(2009/07/19) 掲載

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